チームインタビュー16チーム目笑”さんの5つ目の記事です!!
今回で笑”さんのインタビューもラストとなってしまいました!!
ただお待たせしましたみなさん。YOSAKOIソーラン祭りのお話ですよ!!
みなさんご存知の通り笑”さんは2016年の第25回のYOSAKOIソーラン祭りにおいて、
どまつりチームとしては初となる
YOSAKOIソーラン大賞
を受賞されました。
笑”さんはそれまでにも3回(計4回)出場しており、その辺りの経緯、そしてそのソーラン大賞を受賞された時はチームはどのようなモチベーションでソーランに望んだのか、練習はどのような雰囲気だったのか、どのようなポイントがあったのか、などを今回お話いただきました。
賞を目指すチームさんや、賞は目指していないけど作品をつくり込むという点では全てのチームさんにとって、とっても参考になるところが多いです!!
目次
1. ソーランに挑むキッカケ
ーーー笑”さんと言えばやっぱり2016年第25回のYOSAKOIソーラン祭り大賞がとっても印象的なのでそこの話をたっぷり聞かせてください!!
まず、そもそもなぜソーランに行こうってなったんですか?
ないーぶ : チームとしては、設立時に平岸天神さんにお世話になったこともあり、いつか挑戦してみたいと思っていたのが最初ですかね。
ぱーしー : 最初は笑”設立4年目に行ってます。
それより前にもお誘い頂いたんですけどチームとしてもまだ40名くらいだったし、どまつり大賞とか取ってるわけでもないのでまだ自分たちが行っても何か爪痕を残せる状態でもなかった。
だから、まずはどまつりでしっかりと結果残してから行こうとなりまして、2連覇した後に初挑戦してるんですよ。
その時のモチベーションが高い人たちが言ってるからYOSAKOIソーラン祭り初出場でも8位っていう結果が残せたと思います。
ただそれ以降その当時のモチベーションとは全然違うんですよね。
次に行く粋舞(2006)、その次のLIVE(2011)で行ったときも納得のいく結果は残せずでした。
そして粋(2015)の時は満を持して、
「絶対行くぜ!!」
っていう最初に行った心粋のとき以上の熱い思いをみんなが持ってたから最終的に結果が残ったと思います。
>> 当時のソーランファイナルの演舞はこちらからどうぞ
2. 直すところが見つからない
ーーーでは具体的にソーランで大賞をとったときの練習の大変さはどまつりのそれと比べてどうでしたか?
ないーぶ : 中で踊ってる身としてはどうだったのかは気になりますね。当時僕らはMCだったので。でも外から見てる分には、熟練度が桁違いなんですよ。
前で指導しているパレード班長のたくみさんが、1曲踊りを見た後に
「直すところが見つからない」
でちょっと悩むっていう状態でした。
ぱーしー : 当時、僕らMCにも感想を求められるんですけど、
「いや、もういいでしょ」
っていう感想が出てきました。
ーーーそこまで、練習をしてきたってことなんですね。
すいまー : 指導を受けてる側からしたら死に物狂いですよ。文字通り。
どう?って言われて踊って見せた時に頭抱えて
「分からん!」
って言われるわけですよ。こっちとしては「じゃあもっかいやってやろうぜ!!」って気持ちで踊って、そのあとに重箱の隅をつつくような指導を受けてっていう笑
そこで言われても「やったろうぜ!!」っていう一丸となっていたのはありますね。
誰もマイナスなことは言わない状態でした。
ーーーその時って限定メンバーと正規メンバーの比率はどれくらいでした?
ないーぶ : 正規メンバーが7割、限定が3割でした。
ーーーその時は、正規とか限定とか関係なく一致団結して作品を作り込んでいくっていう状態だったんですね。
ぱーしー : メンバーだけじゃできないところを限定メンバーに助けてもらった部分も大きかったなって思ってますね
ないーぶ : 前向きで、ムードメーカーな限定さんが多かったのはかなり助けられましたね。
元々またソーランに挑戦したいっていう気持ちはメンバー誰しもがなんとなく持っていたところがあって、かつ、どまつりチームからするとどまつり大賞を北海道大学「縁」に獲られてから北海道のチームってずっとゲストで来てたわけじゃないですか。
だから限定で来てくれた世代の方もなんとなく「一発ソーランにかましてやりたい。」っていう。なんとかして、一矢報いて「どまつりやるやん」ってさせたいっていうのがあって。そういう意味で作ってる側も集まった側もすごく高いモチベーションを持っていたと思います。
また、他のどまつりチームの方からもいろんなお祭りで応援してもらったので、チームの中だけじゃなく、外からも応援してもらった一体感がすごく印象的な一年だったと思います。
3. 正規と限定の区別をしない
ーーーソーランの話で一体感を生むために、練習はもちろんめちゃめちゃやったと思うんですけど、それ以外に何か意識したこととか何かありますか。コミュニケーション密にとるとか。
ないーぶ : 自分たちがやったことじゃないんでどこまで喋っていいのかわからないですけど、やっぱり見てて思ったのはいい意味で限定を限定扱いしなかったのが大きかったなっていうところ。
振りのテストとかも正規メンバーがどまつりの隊列でトップもらってても、限定の方が踊れてたら限定の方が前に出るんですよ。
っていうのをメンバーにも限定メンバーにも公言して、同じ土俵で見るっていうところは伝えたのもありますし。
ーーーなるほど。バチバチの実力主義だったわけですね・・・。
ないーぶ : あとは引っ張ってくリーダーたちの練習中と練習外の距離の詰め方がやっぱうまいなと思いましたね。
すいまー : 俺とやす(当時一緒に限定メンバーだった人)が多分同じこと言うと思うんすけど、一番自分らが変わったなあって思ったのが、限定だからちょっと遠慮して、何か声をかけるときに敬語使ってたんですよ。そしたら大澤親分が
「お前ら仲間なんだから気を使うな!!」
って言われて、そっから俺とやすはタガが外れましたね。仲間なんだから。限定とか関係ねぇから声だせよ、とか言ってくれたのが自分の中では限定っていう枠組みを外した瞬間かなっていう感じですね。
ないーぶ : その例えはよく出ますね。元々サッカーやってたってのもあったんですけど、試合中は先輩だろうと全部タメ語というか、もうパス出したらもう取れっていうもう命令形。それはもう「取ってください」っていう時間がもったいないみたいな。
だけど試合が終わったら先輩後輩だからそこは礼儀正しくする。やっぱりオンオフというか、共通の目的、目標があるんだったらそこに向けての遠慮とか忖度とか、そういうは別にいらないんじゃないっていうのは、やっぱり大澤さんとか筆谷さんとかの世代はすごい根強いなと思いますね。
ーーーなるほど。限定メンバーの扱いってチームによって様々なんですけど例えば限定さんをにいい想いをしてもらうように、あえて隊列を前の方に持っていくとか。
逆に、いやいやあなたたち限定なんだからってことで、隊列の後ろの方でちょっと参加させるみたいな。
でもそういう変に意識しないでみんな同じチームなんだからっていうことなんですよね。
4. 地方車を現地に持ち込む
ーーーちなみにソーランの時の地方車ってどのように準備されたんですか?向こうで組まれたんですか??またその時素材はどうされたんですか??
ぱーしー : 現地組みですね。
ーーーってことはその地方車につけるパネルとか単管とかっていうのは・・・持ってたんですか??
ぱーしー : 持ってった笑
2tロングのトラックをフェリーに乗っけて。(ステージ用などの)大道具と地方車につけるパーツだけ積んだトラックが行ってるんですよ。
ーーーやば!!
で、現地で実際のトラックを借りてそこに持ってきたパーツを組み上げたと。
ぱーしー : でもあれはやってよかったなってすごく思う行為だったかな。やっぱ音的な部分もそうだし、やっぱり「笑”のパレードが始まるんだよ」っていう顔にしっかりなる。
ていう意味で地方車込みで現地に行ったのはすごく意味があることをしたんじゃないかなとは思ってますね。
5. スケジュールの話
ーーーそうですねその分お金は大分かかったんでしょうね多分。
ぱーしー : お金は大分かかってます笑
地方車だけじゃなくて、宿泊についても。
土日だけじゃなくてもう大賞獲る気で行ってるんでファイナル行こうと思ったら日曜日も泊まらなきゃいけないっていうところで金額が上がってるところもありますけどね。
金曜入りで金土日と3日泊まるんで。
ないーぶ : 審査が土曜朝一だったんで金曜入りするのはほぼマスト。
土曜朝出発組は、名古屋から新幹線で東京に向かって東京から北海道に飛ぶっていう。
セントレアからだともう審査パレードに間に合わないんです。
ーーーえぇ!??
ないーぶ : 帰りもそうで、日曜日の夜はファイナルパレード踊ってる段階で帰りの便が間に合わないんですよ。新千歳からセントレアの便がなくなるんで。
ぱーしー : 日曜中に帰ることができない。
ないーぶ : だから月曜絶対休めっていうところで。
どうしても仕事に行かなきゃいけない人は大賞演舞終わった瞬間か翌朝?その人たちも新千歳からセントレアじゃなくて、東京経由してか、東京で一泊するかなんかして名古屋に戻って仕事行くみたいな。
ーーーそりゃあ金もかかりますわな笑
ないーぶ : その分、トラックとか音響のレンタル日数も延びているので。。。
ぱーしー : まぁでもそれ以上のものをもらって帰ってきてるんで!
ーーーわあ、かっこいいなあ!すげえなあ!
ぱーしー : 月曜休むの必須っていうのがけっこう強いよね、本気でいくんだなっていうのを感じさせる。
すいまー : 最初聞いたときは「えー!?」って思ったけど、いろいろ聞いてたらお金もかかってしかるべきだしスケジュールもそうで。
でもお金や時間など払った分以上の何倍ものを得られましたね限定で行かせてもらって。
6. 徳を積め
ーーーその時の練習とかってもう毎日のようにやってたんですか??
それかさっきお話してた週2日3日のままだったんですか??
ぱーしー : 基本週末の土日ですね。
ないーぶ : 個人の踊りは自主練というか若宮とかで練習したりもありましたけど。
ーーーチームとしての練習以外では誰かが有志で自主練やりますってことですよね。
ぱーしー : そういう声は絶え間なくあったかなって気はしてます。
ないーぶ : あとはあれですね、覚えてるのは当時の代表が
「徳を積め」
って言い出したことですね。
一同 : 爆笑
ぱーしー : ちっちゃな良いことをしようって。
ないーぶ : 自分たちの日常の全てがソーラン大賞に繋がってるんだっていうところ。
例えば「ソーランの終わった後の火曜日とかにはこの仕事を片付けなきゃな」とかってそういう心配事なんかがあって、それがあったが故に例えば怪我をしたりとか踊りを間違えるとか。心に甘えが生じるとか。そうなったらもう嫌だよねとか。
学業とかトイレのスリッパ揃えるとかでもそうです。今ここでちゃんとやらなかったら・・・っていう。
その全ての行動を悔いなくやっていくことによって気持ちよく大賞を取るまでのルートができるみたいな。その境地まで至ってたのはすごく覚えてますね。
ーーーそれ大事ですよね精神的なところ。踊り以外のところで問題抱えていたらそれが踊りにも影響しますし。その逆も然りですね。やっぱり全て繋がってますからね。
そこの境地にまで達しているのは流石としか言えません。
ちなみに、これからまた今のコロナがどうのとかはさておき、また行く可能性はあるんですかねソーランに。
ぱーしー : 可能性はもちろんゼロじゃないですね。
やっぱ北海道の方からも「来ないの?」って声も聞きますし、行くからにはやっぱその声に応えたいんで、間違いない確固たる自信を持った状態でやっぱり行きたいっすね。
ーーーすごい楽しみです!!
ーーーーー
以上です!!
前に立って指導する立場から言えば「直すところが見つからない」っていうのは思っていても言わないことが多いです。
何故ならそれで踊り子が満足してしまうからです。
でも笑”さんは正規メンバー・限定メンバー共にとっても高いモチベーション、技術で細部まで揃えに揃えた結果、本当に「直すところが見つからない」状態まで仕上げ、指導者の本音を引き出したのだと思います。
そしてだからこそ、そこまで仕上げに仕上げたからこそ、物理的な精度以上の精神的なところ、つまりは「徳を積め」と言わざるを得ない域まで達したんですね。
それらが自信となり、本番の舞台でも練習通りの、もしかしたら練習以上の実力を出すことが出来、最高の結果に結びついた。
多分ですけど特殊な練習方法やトレーニングをしたとかそういうことではないと思います。
基本に忠実に振り付けやそのタイミング、気持ちを揃えるっていうところをほんとに突き詰めて突き詰めて仕上げていったんですね。
いやもうほんとにすごい。
もちろん各チームごと練習の仕方、作品のつくり方は様々あるのでそれらのやり方を否定するわけではありませんが、今回の全5回の笑”さんのインタビュー記事を読んで「僕たちも私たちも!!」と何かいい影響を受けてくれたら嬉しいです!!
(YOSAKOIソーラン大賞チームにインタビューできるってそうそうないですからね ←)
今回インタビュー受けてくださった代表ぱーしーさん、副代表ないーぶさん・ばるぼさん
ありがとうございました!!
これからの笑”さんもとっても楽しみです!!
ーーー
【過去の記事はこちら】
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